小郡町 福祉の店 事業計画書(平成7年作成)
1.基本方針
(1) 目 的
平成5年11月に「心身障害者対策基本法」から「障害者基本法」が法改正され、障害者の自立と社会参加の促進が図られるようになった。
本町(山口県小郡町)は、人間尊重を基本理念に昭和61年3月「小郡町基本構想」を策定し、福祉の向上、快適な環境づくり並びに教育の充実など住民生活優先のまちづくりをすすめてきた。
しかし、社会の多様化や健常者との同等の生活をし活動する社会をめざすノーマライゼーションの普及とともに障害者がいきいきと活動できる福祉施設の必要性が高まりつつある。
これらの状況を踏まえ、本町の特性を生かした開放的で地域社会と一体化し、地域経済の活性化の一助となりうる福祉施設「福祉の店」の設置を目指すものとする。
(2) 福祉の店の設置
福祉の店は、関係機関、民間活力、ボランティア等の協力のもと、次の4つの柱を基本に幅広い活動及び事業を展開する。展開にあたっては、山口県制度に規定する「心身障害者福祉作業所」の機能を導入する。
@ 障害者の生きがいづくり
A 障害者の社会参加
B 障害者と健常者の交流
C 障害者の自立の支援
2.事業の展開
事業の展開に当たっては、「心身障害者福祉施設作業所」の機能を基本に、地域社会の特性を生かし、地域の発展に寄与できる事業の導入につとめる。
具体的には、次の事業を展開する。
福祉の店
|
事業の内容 |
ねらい・必要性 |
具体の施策等 |
|
福祉サービス事業 |
・障害者、高齢者の生活を支援する ・福祉サービスの利用と理解をはかる ・福祉的就労の場の整備 |
・福祉機器等の展示及び販売 ・介護教室の開催→在介センター ・福祉サービスの紹介 →介護保険・ケアマネージャー ・福祉作業所 |
|
資源活用事業 |
・リサイクル運動の拠点づくり ・リサイクル運動の啓蒙活動 ・リサイクル運動の推進 |
・リサイクルセンター ・リサイクルの学習コーナー ・リサイクル商品の展示販売 |
|
文化・交流事業 |
・人材の育成 ・文化の発掘・発信 ・地域福祉活動の推進 ・地域住民の憩いの場、交流の場の創出 ・町外の作業所、授産施設との交流 |
・ギャラリー・イベント開催 ・カルチャーセンター ・福祉の輪づくり運動の拠点 ・交流センター ・作業所、授産施設の商品販売 |
|
情報サービス事業 |
・山口県のヘソとしての機能を高める ・郷土の魅力、個性の発信 ・商業サービスの情報提供 ・情報化社会の対応 ・福祉の店として情報発信 |
・観光案内、特産品の販売 ・山頭火の紹介、グッズの販売 ・カタログ、通信販売等 ・パソコン通信等 |
|
心身障害者福祉作業所は、平成7年度に小郡町によって企画立案された「福祉の店」事業計画書に基づき、平成8年4月より設置されました。
平成7年度より、土地取得や賃貸借物件を検討して、幾つかの候補物件から商店街の家具屋さんの廃業跡を賃貸する方法で所在地が決定しました。計画以前から障害者の保護者等の陳情や要請があり、心身障害者福祉作業所設立事業も組み込まれておりましたので、運営基盤の強化策と商店街の活性化事業も検討されておりましたので、「福祉の店」を主体とする事業が先行しました。
私の参加は平成7年末に、福祉課の永野係長さんから改装図面と見積書に参考意見を差し上げることから始まりました。平成8年1月初めに改装資金が捻出不可となり事業を断念するとの話から、改装資金を大幅に減額し、平成9年度予算に組み込む方法で、私自身が工事することになりました。4月まで現金支払いは出来ず、知り合いの工事関係者に最低の工事をお願いして、材木や金物は建築現場から無償で譲り受けました。備品や展示棚は家具屋さんの物を流用したり、商店街で廃業された店から戴き、エアコンは広島市内の倉庫改修現場まで軽トラックで取りに行ったのがいい思い出となっています。
3月上旬に改装工事のメドが付いた頃に、運営者を誰にするか問題となり、「西村さんは暇だからやったら・・・」との永野係長さんの鶴の声で決心して福祉の業界に参画することになり、現在を迎えています。
工事期間中に多くの役場職員さんや友人が慣れない仕事を手伝って下さいました。一人で戦ったときもありましたが、現在も有形無形で支援して戴いている方々への感謝と皆様のご好意に答えるべく、基本方針から外れることなく、スタッフ一同が一丸となって邁進しております。
施設長 西村良夫